共通語なしでどうすればいい?(単一言語野外調査法)

共通語なしでどうすればいい?(単一言語野外調査法)
ポーランド出身の人類学者ブロニスワフ・マリノフスキとトロブリアンド諸島の先住民(1918年)

最近は文化人類学にハマって、博士課程を勉強していたごろに学んだことを思い出そうとしています。そのなか、「自分が知らない言語しか話せない人と直面する場合、どのように意思疎通ができるのか」、という疑問が浮かびました。よく耳にする答えは「ジェスチャーで何とかなるだろう」です。しかし、より体系的な方法がないですか。

そこで、言語学者ダニエル・エヴェレット(Daniel Everett)の次の動画を思い出しました↓


この動画では、エベレット先生はmonolingual fieldwork(単一言語による野外調査)の手本をやります1。仏語や英語のような共通語を使わずに、ゼロ知識で相手と簡単な会話ができるようになる手法を教えてくれるのです。
まずは挨拶のやり方2、「はい/いいえ」、木の枝のような具体的な物の名前や数え方をメモして短期間で語彙数や文法(例えば、語順)の知識をどんどん増やしていきます(言語によって発音をメモする時に国際音声記号の知識が役に立つかも)。

このように、関心、時間と忍耐があれば、会話相手とゆっくり意思疎通を図り、ゼロからどんな言語も学べるのです。

1 この手法は、言語学者・人類学者ケネス・パイク(Kenneth Pike) によって体系化されました。
2 挨拶を使わない言語も存在します。



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