① 言語への目覚め (L’éveil aux langues)
欧州で開発された様々な企画により、言語への目覚め運動がより広い規模で展開し、言語への目覚めは次のように定義される。「言語への目覚め型の教授法は、一般的に学校が教える予定のない言語に関する学習活動を記述するために用いられる表現である」。ただし、この教授法は触れる様々なのこれらの言語に限定される意味ではなく、その他の学習言語(例えば、日本語や英語)も、何の言語も排他せず、全世界の言語までも含まれる(環境、学習者の家庭の言語など)。一番極端的な複言語的な教授法に見られるが、元々は初等教育の学生たちが自分や同級生の第一言語も含め、世界の言語の多様性に気づかせることを目的として開発された教授法でありつつ、学習者の学校生活の全体にわたる言語学習のサポートとして促進することもできる。言語への目覚め(仏:L’éveil aux langues)は、特にEvlangおよびJalingプログラムで開発された教授法で、1980年代に英国のE.ホーキンズによって始められた言語意識運動(英:Language Awareness Movement)と明らかに関連している。しかし、現在は言語意識アプローチの下位範疇とされ、言語意識アプローチの中に教育的というよりも言語心理学的、必ずしも学習者に多数の言語を紹介することに限らない研究もあるので、「言語への目覚め」を提唱する研究者と教育者は英語以外の用語を用いて「éveil aux langues」を記述する。
② 同族言語の相互理解教育 (L'intercompréhension entre les langues parentes)
同族言語の相互理解教育においては、学習者は同族の2つ以上の言語を並行して学習する(例えば、ロマンス諸語、ゲルマン諸語、スラブ諸語など、[注])。これらの言語の1つは学習者に既に知られており、学習者の母語、教育言語、または以前に学習した言語のいずれかである。このアプローチは、理解力の発達を関連言語の知識を使って新しい言語を学習することに注目する。無論、このアプローチは理解(読解、聴解)だけでなく、生産的な能力(話力、書力)の利点を否定しない。1990年代後半には、フランスやその他のロマンス言語を話す国々、ドイツ、スカンジナビア語圏、スラブ語圏において、大学生を含む大人を対象にした革新的な研究が欧州連合の支持で行われた。このアプローチの例は言語の目覚め型のアプローチに特化した教材に見られるが、一般的に学校で開発された相互理解の使用が見当たらない。
[注]: 日本語話者の場合は、日本語とある程度共通性のある所謂隣語の中国語や韓国語が含まれると言っても良い。この内容については、日本語、中国語、韓国語の間に似ている単語に関する
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③ 異文化間アプローチ (L'approche interculturelle)
異文化間アプローチは、既に言語教育の方法論に明らかな影響を受けているため、比較的によく知られている。その多くの種類は、1つまたは複数の文化領域からの複数の現象に注目し、他者を理解するために基礎として使われる。これらのアプローチでは、異なる文化的な背景を持つ人々が接触する場面について熟考することのために必要な能力を促すことが主張される。
④ 言語の統合的教授法 (La didactique intégrée des langues)
統合的型の教授法は、学校のカリキュラム内で教えられる、限られた言語間の間に関係性について学習者が気づくために学習者を支援することに注目する。このようなアプローチは、あまり知られていないことにアクセスするために、既に知られていることに注目することを提唱する。第一言語を使用することで第二言語にアクセスする、第二言語は第三言語の学習に役に立つのよう相乗効果を促すこと。勿論、このアプローチは学習者の家庭言語などを否定しなく、同時に2、3、4、複数の言語の間に相乗効果を達成することもできる。このアプローチは、1980年代初頭にE. Rouletの研究で提唱された。これは、外国語としてドイツ語を学習する際に、英語の次にドイツ語を学ぶという考えを探究した多くのプロジェクトが採用した方向性でもある(高等言語学習に関する研究を参照)。他の研究は、学校教育の言語と、この統合的アプローチによって教えられるその他の言語を結びつける方法を調査する。学習内容を問わず、学習者が教育で使用する言語間の類似点と相違点を識別させようとすることから、二言語教育の幾つかのアプローチでも使用される。