複言語教育教材例:ベルギーの多言語社会

複言語教育教材例:ベルギーの多言語社会
アトミウム(ブリュッセル、ベルギー)

久しぶりの教材です。今回は最近ベルギーに起こったこのニュースを参考にした教材です。

小中高共通課題  
① ベルギーはどこですか?世界地図で調べてください。
② ベルギーの3つの公用語はどれですか。
③ 次のベルギー言語地図を見てください。それぞれの色の地域で何語が使われますか。

複言語教育教材例:ベルギーの多言語社会
青:
緑:
黄:
エメラルドグリーン:

中・高校生向けの課題(小学生の場合は、口頭でニュースを簡単に説明する)

④ 次のニュースを読んで、質問に答えてください(省略しながらAFPより引用させていただきます)。

【12月20日 AFP】北部でオランダ語、南部でフランス語、東部でドイツ語の3公用語があるベルギーで、車内検札をしていた車掌が、オランダ語を話すフランデレン(フランス語で「フラマン」)系の乗客にフランス語で「ボンジュール(おはようございます)」とあいさつしたことが政治論争に発展している。

この出来事は10月、北部のオランダ語圏フランデレン地域のメヘレンから、首都ブリュッセルへ向かう通勤列車でラッシュアワーに発生した。ブリュッセル首都圏は、オランダ語とフランス語の両言語が話される両語圏とされている。

フランス語話者の車掌イリヤス・アルバ氏は「その日、私は車両に乗り込む乗客に『フッデモルヘン(オランダ語)、ボンジュール(フランス語)』と元気よくあいさつした」とフェイスブックに投稿した。

だが、この両言語でのあいさつに不満を抱いたオランダ語話者の乗客の一人が、「まだブリュッセルに着いていないのだから、オランダ語だけを使うべきだ!」と抗議した。

乗客の指摘は法的には正しかった。ベルギーの複雑な言語法によれば、車掌は原則、ブリュッセル首都圏をはじめとする両語圏でのみ、両言語を使用すべきとされている。

この問題は、北部のオランダ語話者と南部のフランス語話者の言語的対立が、そのまま政治に反映されがちなベルギーで波紋を呼んでいる。

フランス語話者のジョルジュ・ジルキネ交通相は国会でこの問題について質問された後、「ベルギーのような小国では、地域の境界を越えることが頻繁にある」と述べ、車掌のアルバ氏を擁護。

国鉄の車掌は「質の高いサービス」を優先し、すべての乗客が「適切かつ完全な情報を得られるよう」努めるべきだと述べ、「複数の言語であいさつすることに驚きは感じない」と語った。

だが、オランダ語話者の政治家の一部が異議を唱えた。キリスト教民主フランデレン党(CD&V)のサミー・マディ党首は「そんなに簡単に言語法を無視することはできない」と反論した。

SNCB(ベルギー国鉄)は言語法の適用に「より大きな柔軟性」を求めた。SNCBの広報担当者は、AFPの取材に対し「複数言語でのあいさつは素晴らしいことだ。われわれはそのことについて車掌たちに感謝するばかりだ」と語った。(c)AFP

ーーーー

質問1.何の問題がありましたか。
質問2.車掌か乗客か、どちら側が正しいと思いますか。理由を教えてください。
問題3.ベルギー以外の多言語社会とその言語政策(法律)について調べてください。
問題4.日本は多言語社会とどのよな関わりがあると思いますか?(例えば、教育、観光など)

参考教材: 同じニュースの動画

答え
② フランス語、オランダ語/フラマン語、ドイツ語
③ 青: フランス語 緑: オランダ語/フラマン語 黄: ドイツ語 エメラルドグリーン(首都のブリュッセル): フランス語とオランダ語

ーーー
おまけ
自分はこのニュースについて小学生たちに説明して意見を聞いてみたら全員「同じ国なのに、なんで喧嘩する?両方の言語を使って幸せでいいんじゃない?」と言われました😄

【関連投稿】
複言語教育教材の実例(アラビア語・アラブ文字)
複言語教育教材例:国連の公用語(中高大向け/自作)
多言語ゲームを作った!(16か言語!)
おもろいネタで中国語学習
多言語・複言語ビンゴ!(自作教材例)
復習用多言語クイズ例





同じカテゴリー(教材)の記事

※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。