たくさんの言語の経験の重ねでできた複言語ピラミッド(豊富な複言語レパートリー)
先日
学会で発表した研究のスライドがやっと
ここにアップロードされました(レジュメは
こちら)。
その中でまとめとして今回注目したいのは教授法です。2年間の間にやってきた実験的な複言語教育講座の成果の一つとして、以下の図1で示した教授法で、現在の一般の教授法を建物に例えて比較しています。
図1 単一外国語教育(左)と複言語教育(右)の比較(クロス 2024)

大体言いたいことは、横軸は学習者が体験する外語の数(建物の基盤)、縦軸はその学習時間(建物の高さ)です。また、左の塔は学習者の関心や状況をよそに、一つだけの外語(英語)全力で集中させる現在の教授法を表し、一方右のピラミッドは様々な言語を体験し、学習者自身は自ら気になった言語、やり続けたい言語を選択できる教授法です。まとめると、ピラミッドの基盤は塔の基盤より大きくて丈夫で、より安易に高くなり、落ちにくい(諦めにくい)です。一つの外語(例えば英語)だけをやると、うまくいかないと10年の教育を終えたら英語を諦めるだけでなく、「外国語=英語」という英語が基準点となった劣等感で全ての外語の学習も諦める残念な結果が多くの方が共感できるでしょう。一方、より自由にたくさんの言語を触れた学習者(例えば、子どもの時に英語の前にフランス語に触れた私)は、1つの言語の学習はうまくいかなくても、幅広い選択肢を持っているので全ての言語を諦める可能性がより低いです。自分の研究成果活の一つは正に、全ての生徒たちは将来言語を学び続けたいということで、その中に1つ以上の言語に言及する児童は大半でした。