カルトの言語学

カルトの言語学
今日はLinguistics of cults: How cults use language to control (カルトの言語学:人を操るためにカルトが扱う話し方)という内容に関する次の動画をみて、主点を日本語でまとめようと思った。



1.質よりも量/指導者はいっぱいしゃべる(英: Babble hypothesis/おしゃべり仮説)
カルトの言語学
カルトには魅力的な指導者がよくいます。そのリーダーはどのように注意を引き、アピールと指導力を集めるかというと、とにかくいっぱいしゃべるということ。 MacLaren他(2020年)の研究が調べた「Babble hypothesis」(おしゃべり仮説)によると、(カルトの指導者に限らず)、私たちはよく話す人の方に注意をより払い、リーダーとして選ぶことが分かっている。言い換えてみれば、この研究の結論は、知能、性格、性と話す時間の内生性を念頭に置きながら、長い話す時間が話者の指導性(リーダーシップ)の感知に直接的な影響を及ぼすということ。

2. 話す内容: 含みのある言葉(英: Loaded words)
2.1. 思考停止のクリシェ (Thought-terminating cliché)
相手の反論を防ぎ、議論を終わらせるように使われる表現。例えば、「仕方がない」という決まり文句。
2.2. 新しい概念をよく説明しようとする(Elaborative language)
相手がある程度常識を持っている一般宗教と違って、カルトでは新しい概念がもっと説明されるという話し方が用いられる。
2.3. 「内と外」を分類する表現(Divisive language)
「私たち」対「彼ら」をよく使い、外の世界とその人に対して優越感や恐怖を感じさせ、外の世界と距離を保たせることを目指す話し方。
2.4. 専門用語(Jargon)
 新しい意味で使用される普通の単語から完全に新しい単語や表現まで、優越感を感じさせる既存や新しい専門用語(Jargon)を使うカルトが多い。

上述のは、実はカルトに限らず、その話し方が政界からフィットネス界、ユーチューバーから詐欺師までにも使われることを指摘したい。尋問でも使われる戦術だが、相手の意志を壊して素早く説得させるよりも、段階的にゆっくり真実から離させて、現実の感覚を変えていくのだ。フランスの哲学者のメルロー=ポンティの以下の名言によると、「水が魚のエレメントであるように、言葉が我々のエレメントである」。言い換えれば、あなたの現実の認識は、目に見える物理的なものよりも、聞いた言葉によって左右されるのだ。

カルトの言語学

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